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その音をNiKAが手に入れるまでー
MIDORINOMARU ピアノNiKAインタビュー

nika

MIDORINOMARUでピアノを演奏するNiKA(ニカ)さん。本当にピアノだけでこの全ての音を作っているのかと疑いたくなるほど、豊かで厚みがある。奔放に鍵盤と戯れるNiKAさんにそのルーツを尋ねてみると、そのイメージとは裏腹に、かつての彼女は気遣いのかたまりのような少女だった。

「すごくしつけが厳しい家庭の長女に生まれて、ちょっといい子すぎたんだと思います。一番下の妹が生まれるとわかった時、おかあさんに『産まないで』って言ったことを覚えています。それくらい、フラストレーションがたまっていたんだと思う」

それまでしてきた我慢を発散するかのようにエレクトーン教室に熱中した。ドラム・パーカッションを担当する三星さんとの出会いは高校卒業後、ライブを企画した時。ドラムのメンバーを迎え、その流れで出会ったのが三星さんだった。その時のことを話し出すと緊張気味だった彼女の顔にいっぱいの笑みが浮かんだ。

「昔から本当に気遣いを感じる人でした。。実は直接ちゃんとあいさつをする前に、同じ会場に居合わせたことがあって。その時、すごく重いピアノをどうしても動かさなきゃいけなくて。途方に暮れていたら『僕持ちますよ』って動かしてくれたんです。その優しさの理由はきっとご家族なんだろうなぁと思う。ツアーに行った時泊めていただいたりしたんですけど、温かい素敵なご両親なんですよ。私は気を回しすぎて何かしてあげたくても裏目に出ることが多いから、あんな風に人と関われたらいいなぁ」。

ライブを体で感じて欲しい

他のドラマーやパーカッショニストと三星さんの違うところを尋ねてみる。

「みっちゃんは、音のひとつひとつが生きているんです。何度同じ曲を演奏しても、『そう来たか』ってわくわくできる。他の人が同じ曲を演奏したことがあったけれど、音がのぺーっとしていて。誰かが真似できるものではないんです」

実は、この前に行われたインタビューで、三星さんは全く同じことをNiKAさんの音について語っていた。性格は正反対でも、お互いの音への愛情は同じ。その音がぶつかり合う「〜MIDORINOMARU 実りの秋ツアー2018〜」はどんなものになるのだろうか。

「同じライブは決してないから、ツアーファイナルも始まってみないとどうなるかわかりません。私たちはセットリストも、会場の雰囲気と、出演する人やお客さんの温度感を見て2分前に組み立てたりするくらいですから。でも、きっと次のMIDORINOMARUが向かう方向が見えるのではと楽しみにしています。今まで私たちのライブを見てくれていた人には、ツアーをまわって帰ってきた成長や変化を感じて欲しいし、初めての方には、ぜひライブの楽しさを体で感じてほしいです。私たちは、音源よりも、youtubeよりも、ライブが一番だから」。

アルバム『SUN』を一番聴かせたいのは、高校生の時の私

先日リリースされた3rdアルバム『SUN』。もしこのアルバムを昔の自分に聴かせられるとしたら、高校生の時の自分だという。ちょうどエレクトーン教室を卒業して、ピアノのレッスンを始めた頃だ。

「あの頃、私はひとつの音を大切に鳴らそうと考えていなかったんです。弾くことは好きだから鍵盤を離すことはなかったけれど、ただ好きなだけだったんですよね」

それに、高校生活はちょっと荒れていた。

「退学ギリギリ手前で卒業させてもらったんです。親も怒るだけだし、私はなんでわかってくれないのかと思うだけ。もちろん時間は元に戻らないけれど、高校生の時はにもっとこういう音との向き合い方をしていたら違ったなって思います」

特に聴かせたい曲はと尋ねると、タイトル曲でもある『SUN』の名前がまっさきに出た。

「最初のフレーズは、ふと頭に浮かんだものを録音して拾ったものなんですが、あまりにも王道とださいのとの紙一重でみっちゃんに聞いてもらうのも恥ずかしいくらいだったんですよ。でも、勇気を出して聞いてもらって、音ひとつひとつを大切にして作ることができた曲なんです。

「アルバムを聴いてくれる方には、じっとしている時よりも、歩いている時や電車の中で聞いて欲しいなぁ。私たちの音楽はインストだから、風景や気持ちによって聞こえ方が違うと思うんです。目から入るものがメロディになるんです」

優しい瞳を伏せて語るNiKAさんは、高校生の時の自分に語りかけているようにも見えた。かつて口もきかなかった時期があったというお母さんにも聴いてもらったんですかと尋ねると、もちろん、とうなづいた。

「東京に出てきて、今まで嫌だなと思っていた厳しさも、してくれたことも全てが感謝に変わった瞬間があったんです。小さなことから大きなことまでただただ感謝しかなくなって」

奔放で、どんな音でも作ることができて、きっと今まで悩んだり行き詰まったりしたことなんてないように見えた。でも、その音は彼女が乗り越えた葛藤の先で手にいれたものだったんだ。『SUN』の音色は自由を喜び合いながら、聴く人の心をくすぐっていく。

作ることができて、きっと今まで悩んだり行き詰まったりしたことなんてないように見えた。でも、その音は彼女が乗り越えた葛藤の先で手にいれたものだったんだ。『SUN』の音色は自由を喜び合いながら、聴く人の心をくすぐっていく。

nika

▼ワンマンライブ情報

日時:2018年12月3日(月) 18:30開場/19:30開演
場所:青山 月見ル君想フ
価格:前売り¥3000/当日¥3500 (1drink 別)
問い合わせ BananaMusicPublishing 03-3467-5910
info@bananamusic.jp
チケット発売中
https://midorinomaru2018.peatix.com/

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